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増担保規制とは?
信用取引を行う際に必要な委託保証金というものが通常より多く必要となる信用規制の事です。
JPX のページでは、こうあります
東京証券取引所では、信用取引の利用が過度となった場合、新規の信用取引の利用を抑制するため、委託保証金率の引上げ等を行います(これを「信用取引に関する規制」といいます。)。ざくっと言うと、信用での取引が加熱し過ぎている銘柄は、信用取引に負荷をかけて抑制しますよって事ですね。
増担保規制になる条件は?
増担保規制になる条件は、まず「日々公表銘柄」である事です。
(本HPのTOPに「日々公表銘柄」として一覧で載っている銘柄の事ですね)
それに加えて、「第一次措置の実施基準」というものに該当すると信用規制となります。
厳密にいうと、日々公表でかつ第一次措置の実施基準を満たしていても最終的には取引所が規制をかけるか判断するので、100%規制されるという訳ではありません。
ですがそこは我々には分からない世界なので、とりあえず気にせず行きましょう。
話を元に戻します。
第一次措置の実施基準については大きく分けて4種類あります。
1.残高基準
2.信用取引売買比率基準
3.売買回転率基準
4.特例基準
現在信用規制になる条件として多い1と2を解説します。
(4は、1〜3に当たらないが取引所が規制が必要と判断したケース。かなりレアケースです)
JPXのガイドラインには、1についてこうあります。
イ.売残高の対上場株式数比率が15%以上で、かつ、売残高の対買残高比率が 70%以上である場合
ロ.買残高の対上場株式数比率が30%以上で、かつ、3営業日連続して各営業日 の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上(各営 業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限 る。)である場合
ハ.当取引所が「信用取引残高が継続的に増加している銘柄」として公表した日の 翌月の応当日以降において、売残高の対上場株式数比率が15%以上又は買残高 の対上場株式数比率が30%以上である場合
1で規制がかかる場合の多くは、このガイドライン「ロ」に該当します。
ロの意味するところは要約すると、日々公表銘柄に指定された後、信用買残高が一定水準を超えていてかつ3日間連続して終値が25日線±30%以上となっているという事です。
本HPでは、日々公表に指定されている銘柄が指定後何日間連続で終値が25日線±30%を達成してしまっているか。また明日は終値いくらになると25日線±30%を達成してしまうのかも載せています。
このため、1〜2日連続ですでに達成しており明日も達成見込みのある銘柄は株価面では増し担保規制予備軍という事ですね。
次に2について。ガイドラインには2についてこうあります。
3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上であり、かつ、次のいずれかに該当する場合(各営業日の売買高が1,000売買単位以上である場合に限る。)
イ.3営業日連続して信用取引の新規売付比率が20%以上である場合(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価未満である場合に限る。)
ロ.3営業日連続して信用取引の新規買付比率が40%以上である場合(各営業日の株価が各営業日時点における25日移動平均株価を超過している場合に限る。)
解説していきましょう。
まず、2は大前提で3日連続で25日線との乖離が±30%である事を条件にしています。
それに加えて、信用取引の新規買い・売り付比率が加熱している場合に規制をかけるよという事です。
増担保規制になった銘柄の株価はどうなる?にも書いていますが、規制が入ると株価はたいていの場合波乱となりますのでこういった情報をチェックしておいて、今持っている銘柄や売買検討している銘柄のプランを練るようにしましょう。
第一次措置の実施基準について詳しく知りたい方は、JPXの「口座設定約諾書等」ページ、信用取引に係る委託保証金の率の引上げ措置等に関するガイドラインを参照してください。
口座設定約諾書等
普段信用取引を行わない方も参考になりますよ。
ちなみに第一次措置、第二次措置・・と段階が深くなるごとに規制の強さが増します。第二次はマシマシ、第三次はマシマシマシ・・なんて呼ばれたりも。
株価の動きですが、第一次措置がかかる時が一番激しく動きます。第二次以降は、かかるタイミングにもよりますが第一次措入りしたときほど乱高下はしない事が多いです。
増担保規制が解除になる条件は?
こちらもまず、JPX のガイドラインを見てみましょう。
次に掲げる(1)及び(2)の基準のすべてに該当した銘柄については、委託保証金の率の引上げ等の措置を解除する。
(1)残高基準
次のイ.及びロ.のすべてに該当する場合
イ.5営業日連続して売残高の対上場株式数比率が12%未満である場合
ロ.5営業日連続して買残高の対上場株式数比率が24%未満である場合
(2)株価基準
5営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が15%未満である場合
(3)特例基準
(1)及び(2)の基準のすべてに該当している場合であっても、当取引所が信用取引の利用状況や銘柄の特性を考慮し必要と判断した期間は措置を解除しないことができる。
日々公表から規制に入る時よりかは大分シンプルです。
(1)の残高基準、(2)の株価基準をそれぞれ5営業日連続して満たした場合に規制を解除するとありますね。
タイミングとしては両方が5営業日連続して満たした日の夕方に、解除されるかどうかがJPXに更新されます。
(3)の特例基準については我々ではどうにも判断できないので一旦考えるのをやめておきましょう。
当HPのトップページでは、この残高基準と株価基準を現在何日クリアしたか、株価基準については翌営業日株価がいくら未満だと条件を満たすことができますよという情報を更新しています。
残高基準と株価基準どちらか一方のみが条件を満たしていても解除はあり得ません。
株価基準の方が有名なため、株価クリア日数のみをチェックしてしまい解除されず計画が狂うという事象をよく見かけます。そうならないよう、両方の情報を確認し、計画を立てるのにお役立てください。